がん診療連携センター センター長 荻野 広和 ご挨拶

徳島大学病院がん診療センターは、がんの診断・治療の実践、がん相談への対応、がん情報の発信を全面的にサポートするセンターとして、平成18年6月1日に開設されました。その後、平成19年4月からの「がん対策基本法」の施行、平成19年6月からの「がん対策推進基本計画」の策定により、がん対策の総合的かつ計画的推進計画が国から示され、がん治療の長期的な取り組みが全国的に求められるようになりました。徳島大学病院は平成22年4月1日から都道府県がん診療連携拠点病院の指定を受け、県内3カ所の地域がん診療連携拠点病院および地域がん診療病院や他の様々な医療機関と連携して、県内のがん診療やがんに関する様々な取り組みにおいて中心的な役割を果たしています。
令和5年に、第4期がん対策推進基本計画が策定され、「誰一人取り残さないがん対策を推進し、全ての国民とがんの克服を目指す。」を全体目標とし、さらに、「がん予防」分野、「がん医療」分野、「がんとの共生」分野の分野別目標としてがん検診受診率向上対策等、がん医療提供体制の体制等、小児・AYA世代のがん、高齢者のがん医療の充実等を進めていくことなどが重点的に取り組む課題とされています。がんゲノム医療に関しては徳島県では当院だけががんゲノム医療連携病院となっており、ゲノム医療を行う患者さんの窓口としての役割を果たしています。希少がんである肉腫などの治療では多診療科にまたがるチームを作り、院内外の先生との情報共有を積極的に進めております。
徳島大学病院がん診療連携センターは、これらの新しい課題にも積極的に取り組んでまいります。もちろん、がんにかかられた患者さんの不安を和らげ、あんしんして治療を受けることができるよう、患者さん一人一人をきめ細やかにサポートすることが最も重要な目的です。センターには7つの部門があり、医師、看護師、薬剤師、技師、心理士、事務職員といった多職種から成るチームが高い志の下に連携し、患者さんが最先端の診断・治療を受けられるようにするだけでなく、治療に関する様々な情報をわかりやすく提供することや、患者さんが元々の生活を大切にしながら治療を受けられるような環境づくりにも力を入れています。また徳島県のがん治療のレベルアップを図るために、センターが中心となってがんに携わる様々な領域の人材育成も行なっています。
がんは、国民の2人に1人がかかる非常に身近な病気となりました。私たちは、患者さんやご家族の視点に立ち、皆様があんしんして治療を受けられるよう日々取り組んでいます。治療や生活のことで悩んだ時は、遠慮なく私たちにご相談ください。
荻野 広和(おぎの ひろかず)
【センター長 略歴】
2008年 徳島大学大学院医学専攻博士課程(M.D.-Ph.D.コース)卒業
2010年 徳島大学医学部医学科卒業
2010年 聖路加国際病院初期臨床研修医
2012年 聖路加国際病院内科専門研修医
2013年 聖路加国際病院内科チーフレジデント
2014年 徳島大学病院呼吸器・膠原病内科医員
2015年 徳島大学病院呼吸器・膠原病内科特任助教
2016年 徳島大学大学院医歯薬学研究部呼吸器・膠原病内科学分野助教
2019年 米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校客員研究員
2021年 徳島大学病院呼吸器・膠原病内科講師
資格
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医
日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医
日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医・指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本がん分子標的治療学会評議員