2012/08/27

地域におけるがん患者や家族の交流の場~患者(家族)サロンの工夫と課題を共に学ぶ~に参加しました。

地域におけるがん患者や家族の交流の場~患者(家族)サロンの工夫と課題を共に学ぶ~に参加しました。

徳島大学病院がん診療連携センターの臨床心理士とMSWが参加してきましたのでご報告させていただきます。

 

厚生労働科学研究費補助金がん臨床研究事業

「地域におけるがん患者等社会的支援の効果的な実施に関する研究」

がんサロンに関する会議

地域におけるがん患者や家族の交流の場~患者(家族)サロンの工夫と課題を共に学ぶ~

に参加して

徳島大学病院 がん診療連携センター   宮崎臨床心理士

 

日時・場所:平成24年8月25日(土) 静岡県立静岡がんセンター

 

近年,がん患者さんやご家族等を対象にした「サロン」(がんサロン,患者サロンなど)は,全国的に広がってきています.本会議では,さまざまな立場で地域において社会的支援活動を実践している関係者が集い,交流の場としての「サロン」の運営上の工夫や課題などについて,意見交換や,情報共有が行われました。

まず,研究の概要説明の後,医療者・行政・患者団体の立場から,それぞれの地域で実践されている,交流の場としての「サロン」に焦点を当てて運用上の工夫や課題などの発表がありました.後半は,参加者全員が,各地域や現場での課題や工夫を中心にグループディスカッションを行い,意見交換や情報共有が活発に展開しました。

都道府県がん診療連携拠点病院である徳島大学病院にも「がんサロン」や患者会があり,当事者間の交流を通して支え合いや情報交換が行われ,地域における社会的支援活動の場として機能しています.

病院側スタッフとして臨床心理士が運営のお手伝いをしていますが,今回の会議から,他のさまざまなサロンの現状を知り,いろいろなサロンのあり方や工夫について貴重な示唆をいただくことができました.                                        会議全体を通して感じたことですが,母体となっている施設や団体によりそれぞれ特長をもつ複数の「サロン」が互いに連携して活動することが,より利用者にとって支援的となっているようです.各地域で,さまざまな疾患や症状をもつ患者さんやご家族のニーズに合った複数のサロンが用意され,それぞれの生活リズムや,身体的・心理的ニーズに応じていろいろなサロンを利用できるよう,柔軟な社会的支援システムが存在することがより効果的であり,各地域ごとにそれぞれのニーズにあった複数のサロンが育つことが必要か思われました。

徳島でもいくつかの患者団体を中心に交流や相互支援の場が展開しており,各拠点病院でのサロン活動もそれぞれのペースで行われています.しかし,このようにさまざまな支援の場があることは,まだ周知不足かもしれません.また,利用者の真のニーズに対応しきれていない面も多いかと思われます.これからも,利用者の方々の声を真摯に受け止め,支援的なサロン運用に一層努めてまいります.