徳島新聞に「がん予防のススメ」が掲載されました。(食道がん)
食道がんの予防について
徳島大学病院 食道・乳腺甲状腺外科 副科長 講師
井上聖也
食道がんはわが国のがん死亡者数第7位のがんです。2つのタイプを紹介します。約90%を占める扁平上皮がんと最近増加傾向にある腺がんです。扁平上皮がんは飲酒および喫煙習慣により食道粘膜が傷つくことで発生します。飲酒により顔が赤くなる人や気分が悪くなる人はアルコール分解酵素の活性が生まれつき弱い人で、食道がんが発生しやすいとされています。一方、腺がんは、食の欧米化、肥満が原因です。脂質の多い食事により、胃食道逆流症が起こり、食道の炎症が持続することによって腺がんが生じます。このようにがんの発生原因を考えると、予防には喫煙・飲酒習慣、食生活の改善が有効です。初期症状は、喉の違和感、食事のつかえ感、胸やけなどです。気になった方は早めの胃カメラ検査をお勧めします。
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