2010/12/26

徳島新聞に掲載されました。がん予防のススメ Vol.9(胃がん)

徳島新聞に掲載されました。がん予防のススメ Vol.9(胃がん)
胃がんとその治療法の現状について 徳島大学病院 地域外科診療部 特任教授   栗田 信浩                       胃がんは、世界的にがん死亡の2位を占め、日本での死亡率は減少傾向ですが、男性では2位、女性でも肺・大腸がんと並んで高率であり、現在でも重要ながんであることに変わりありません。 近年、胃がんの原因として、ヘリコバクター・ピロリという細菌の持続的な感染が重視されており、この菌が出すタンパク質が、胃粘膜を正常な状態に保つしくみを破壊し、発がんに関与すると言われています。この他に喫煙、塩分の多い食事、糖尿病などの関与が報告されています。 ピロリ菌の感染率は、50歳以上で60%以上と高率で、高齢者の方の早期発見が重要であり、市町村での集団検診や内視鏡検査が推奨されます。 胃がんは早期に発見し治療を受ければ、ほぼ完全に治ります。早期がんは内視鏡を使ったお腹を切らない治療で十分な場合もありますが、手術が必要な方も多いのが実情です。当科では年間約100例の胃がん手術を施行しており、約半数の方が小さなきずで、痛みの少ない腹腔鏡を使った手術となっています。その他に進行した胃がんの方には抗がん剤をおなかの中に直接入れる方法など、個々の症例に応じた治療を行っています。胃がんの診断を受けられた方は専門外来の受診をお勧めします。 ★お問い合わせ 徳島大学病院 ℡088-631-3111 がん診療連携センター ℡088-63-7312 徳島がん対策センター相談窓口 ℡088-633-9438